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「春はあけぼの!」




 「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる。 夏は夜。月のころはさらなり~、…」

 平安時代中期(1000~)、皇后定子に女官として仕えていた清少納言の随筆「枕草子」最初の一節である。

 「夜がほのぼのとあけ、山ぎわが白んでゆき、紫色の雲がほそくたなびいている景色が良い…、」とは、なな何と情景が映画のシーンのように瞼に焼きついて浮かんでくるではないか。

 書き始めにつづく「夏・秋・冬」の情景も作者の鋭い観察眼と描写力が貫かれており、「いとおかし」の世界を淡々と構築していくのであるが、しかし…、う~む、何と文筆の才に長けた人物なのであろうか。感服以外に言葉が見つからないのである。

 ところで話は変わるのだが、「春」と言えば「あけぼの」ばかりではない。

 日本人にとって「桜」を忘れることはできない。

 桜の花は日本民族の象徴とされ、時代とともに歩んできた長い歴史を持っていて、古くは古事記や万葉集にその記述があり、当時は神聖なものとして扱われていたようなのだ。

 平安時代の頃から一般庶民にもひろく「花見の文化」が浸透するようになったと言われており、やがて時代が下るに従い鑑賞の仕方にも変化がみられ、「木の下での宴会」を楽しむようになっていったようなのである。

 昔人は、暦の「1月・2月・3月」は「いく・にげる・さる」と呼んで時間の慌ただしさを表現していたというのだが、その慌ただしさの感覚はまさに4月(疾走?)の「桜の花」にも言えることなのだ。

 小生も今年こそは「満開の桜」を十分堪能しようと機会を伺っていたのだが、タイミングを外してしまい、出かけていったものの敢えなく「葉桜鑑賞」に終わってしまった。

 ところで、桜の花が日本人に好まれる理由は何か。一つには「散り際が潔い」ということらしい。

 未練がましく何時までも咲いているということはなく、時がくれば一斉に散ってしまう。その辺りに日本人気質とでも言おうか心意気を感じるのであろうか。 

 4月も足早に終わり、季節は新緑が目に眩しい5月へと移っていく。

 「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」 (山口素堂) が到来する。

 新緑の山間では「かっこう」の声が響きわたり、都会の大地では見上げた空から「ピーチク、パーチク」と小鳥たちの心地よいさえずりが、人々の心を和ませてくれるに違いない。

 ゴールデンウィークは雑踏を離れ、「風情ある日本の四季」を堪能できる絶好の機会かもしれない。

 時には我々も心の滋養のために、平安時代の女官よろしく、「おくゆかしき」世界に身を託してみるのは如何だろうか。
 




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